熊本 阿蘇 宿泊 お客様の声| 熊本県南阿蘇にあるオーベルジュ「森のアトリエ」口コミ(クチコミ)の評価や評判 » Blog Archive » 第164回ディナーコンサート★「我が命の想い人 -ルネッサンスからバロックへ- アンサンブルの愉しみ」【グループ『葦』 】& 連載:西洋音楽史と音楽家たち 第4回「ベルナール・ド・ヴァンタドールと宮廷風恋愛」

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164thコンサート表
164thコンサート裏

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森のアトリエ 第164回ディナーコンサート
我が命の想い人Belle qui tiens ma vie ルネッサンスからバロックへ アンサンブルの愉しみ
3月26日 (日) 18:00開演 演奏:グループ『葦』

 
プログラム
 
1. 「おお輝くおとめよ」~手写本『モンセラートの朱い本』より[14c.西] 三声、ルネッサンス・フルート、リュート、チェンバロ
O virgo splendens ~Llibre Vermell de Montserrat
 
2. ギョーム・ド・マショー『優しく美しいおみなよ』 [14c.仏] 歌、 リコーダー、フィデル、、リュート、チェンバロ 太鼓
Guillaume de Machaut “Douce dame jolie”
 
3.ヘンリー八世『良き仲間との気晴らし』[16c.英]
三声、クルムホルン、コルネット、サックバット、リュート、ガンバ、チェンバロ、太鼓
Henry VIII 1509-1547 ”Pastime with good company”
 
4.【器楽】ジョスカン・デ・プレ『千々の悲しみ』チェンバロ・ソロ[15~16c.白]
Josquin Des Prez; 1450-1521 “Mille regretz”
 
5.パレストリーナ『谷川の水をあえぎ求める鹿のように』四声[16c.伊]
Giovanni Pierluigi da Palestrina 1525~1594 “Sicut cervus”
 
6.【器楽】リコーダーorルネッサンス・フルート・ソロ
 
7. 【器楽】ジョスカン、ティ-ルマン・スザート『千々の悲しみ』[15~16c.白]
四声、リュート フルート、ガンバ二声、サックバット、リュート、チェンバロ、太鼓
Josquin Des Prez;&Tielman Susato “Mille regretz”.
 
8.クローダン・セルミジ『花咲く日々に生きる限り』 四声 リュート・ソロ[15~16c.仏]
Claudin de Sermisyc.1490-1562 ” Tant que vivray”.
 
9.トワノ・アルボー『我が心の想い人』[16c.仏] 四声、ルネッサンス・フルート、ガンバ二声、サックバット、リュート、チェンバロ、太鼓
Thoinot Arbeau1520 – 1595 Pavane “Belle, Qui Tiens Ma Vie”
 
10.ジョン・ダウランド『ご婦人方の素敵な小間物』[17c.英] 四声、リコーダー三声、リュート、チェンバロ
John Dowland1563 – 1626 “Fine knacks for ladies”.
 
11.【器楽】 リュートソロ
 
12.ダウランド『今こそ別れ』[17c.英] 四声、ルネッサンス・フルート、ガンバ二声、リュート、チェンバロ
John Dowland “Now,O,now I needs must part”
 
13.クラウディオ・モンテヴェルディ 『波はささやき』 四声[16~17c.伊]
Claudio Monteverdi1567- 1643 “Ecco mormorar l’onde”
 
 
グループ『葦』
村中美香 (歌) 安尾宣子 (歌、太鼓) 船方公子 (歌、太鼓)
栗林孝次 (歌、太鼓) 松本均 (歌) 船方浩司 (歌) 村中孝浩 (歌)
渡辺浩行 (リコーダー、フラウト・トラヴェルソ、バロックオーボエ)  繁本幹太郎 (リコーダー)
三原祥子 (テナー・ヴィオラ・ダ・ガンバ)  木村鐘靖 (バス・ヴィオラ・ダ・ガンバ)
中野博司 (テオルボ、バロック・ギター) 
右ノ子万里奈 (チェンバロ) 
 
1977年熊本で結成された古楽器アンサンブル。チェンバロ、リコーダー、コルネット、ヴィオラ・ダ・ガンバ、クルムホルン、数種類の打楽器などに独唱や重唱も加えてヨーロッパ中世、ルネッサンス、バロック期の作品を九州各地で演奏。これまでに多くの自主的な演奏会や古楽器に適した響きの良い音響の会場での音楽会(教会や美術館や歴史的建造物)他、九州各地で開催の音楽祭(湯布院音楽祭、小国古楽音楽祭、福岡古楽音楽祭等)に出演し好評を得た。また長崎市や大村市、西海市、大分市や熊本県天草市などで九州縁の天正遣欧少年使節に関するイヴェントや演奏会に関わりその活動がテレビ・ラジオ・新聞・音楽雑誌等で報道された。今年2016年8月に結成40周年を迎える。
 
 
 
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連載:西洋音楽史と音楽家たち
第4回「ベルナール・ド・ヴァンタドールと宮廷風恋愛」

 
11世紀末に、南フランスの宮廷で始まったトルバドゥール(吟遊詩人)たちの活動ですが、初めて女性を対等な恋愛の対象として認め、その愛を勝ち取るために愛の詩を歌い、騎士としての名誉と命をかける事が称賛されるようになります。時代は中世のルネッサンスと呼ばれる12世紀。十字軍の遠征と共にイスラムの進んだ文化や豊かな社会に触れて、ローマ末期に侵入した蛮族たちの子孫としてまだまだ粗暴であったヨーロッパの男たちも、洗練された立ち居振る舞いや文化を身に着けようとし始めます。初期のトルバドゥールたちは、まだそのような行動の結果として女性を獲得しようする欲望を隠そうともしませんでした。
しかし次の世代になり、宮廷文化が洗練されていく中で、理想の恋人は主君の奥方などの身分が上の貴婦人になり、騎士は完璧な忠誠と献身を捧げることになります。そこでは、騎士としての美徳と精神的な高みへは、ただ意中の女性への賛美をつらぬきつつも、純潔を守るという崇高な「愛」によってのみ達する事ができるとされたのです。
対して、女性たちは相手を恋人として認め、愛を注ぎ、接吻や抱擁や時には裸身を見せることすらもしましたが、そこに超えてはならない一線を置いて、互いにそこを越えないようにしました。例えば「アサーニュ(試み)」という一種の儀式では、愛する貴婦人と共に寝台に横たわり、あらゆる性愛の技巧をゆるしても、最後の一線を越えずに堪えることができるかという試練を騎士に課しました。このように、愛の真の目的を果たすために、欲望を乗り越え、精神的な高みに至ることが、騎士と貴婦人たちの「宮廷風恋愛」として確立されたのです。
最初のトルバドゥールと言われるアキテーヌ公ギヨーム9世の孫娘にあたるアリエノール・ダキテーヌは、後にフランス王ルイ7世と結婚し、離婚した後はイギリス王ヘンリー2世の王妃となり、ヨーロッパの多くの王や妃たちの母となりましたが、祖父の代からこうしたトルバドゥール達の中心にいました。そして彼女の婚姻などにより吟遊詩人たちの舞台も北フランスに移り、彼らもやがてトルヴェールと呼ばれるようになりますが、その流れをくむいくつもの宮廷では、そうした「宮廷風恋愛」のさまざまな問題を議論する「愛の法廷」がたびたび開かれます。そこでは、知見を持つ貴婦人たちが、提起された実際の恋愛の問題について議論し、評決を下したのです。後にアリエノールの娘のマリ・ド・シャンパーニュの宮廷では、「ただ美徳のみがひとを愛されるにふさわしくする」、「愛は情欲と韻を踏まない」など「宮廷風恋愛」の31か条のルールを定めたアンドレ・ル・シャプランの「正しき恋愛技法論」が書かれます。
さて、こうした「宮廷風恋愛」の歌を歌ったトルバドゥール達の中でもっとも有名な一人は、かのアリエノール・ダキテーヌに愛を捧げたベルナール・ド・ヴァンタドール(ベルナルド・デ・ヴェンタドルン)(12世紀前半~1180年頃)です。ヴァンタドール子爵の下僕の出身ですが、後に詩や歌、宮廷風恋愛のしきたりに秀でて、「世にも美しい人よ、かくも美しくあなたを創った方が、わたしに待ち望む歓びを与えてくださるように!」と、女性への憧れをみずみずしい感性で歌いました。彼の作った旋律はその後数百年も歌い継がれる事になり、こうして現代に至る「恋愛」という概念は、中世に歌と共に生まれ、時代と共に変化し表現されていったのです。

 
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by atorie